ヘアメイクアップアーティスト@kkによる作品制作について。

ヘアメイク作品制作0-0
WORK
2019-05-30:公開日/ 2019-6-25:更新日

Beauty Labo@kkの
ヘアメイクアップアーティストによる
作品制作、撮影風景の紹介。

ヘアメイクアップアーティスト@kkの作品制作について
お話を伺ってみようと思います。

ヘアメイク作品制作200-0


編集部

@kkさんはこの2年間精力的に作品制作を行っているようですが、ヘアメイクアーティストとして
作品を制作するということは、どういうことでしょうか。

@kk

通常作品はbook(ブック)制作ということですが、単に営業ツールとして使用するbookではなく、
自分自身のアイデンティティーを現したいと思ったからです。

長い間、美容、ヘアメイクの世界で活動してきて”今”自分の生き方や美意識、技術や表現の集大成を形に現したいと思ったからです。

現在一つ一つの作品制作が日記のようになっています。
※ブックとは自分の仕事や作品をアルバムのようにして集めたものです。

編集部

スタッフはどういう方でしょうか。

@kk

フォトグラファーは毎回お願いしている坂本誠二氏です。
フォトグラファー、ヘアメイクアップアーティスト、スタイリストと分野によって作品の性質が違うのですが、ヘアメイクアップアーティストの作品を理解して頂いてる方です。

実際お願いできるフォトグラファーは少ないです。
重要なアートディレクションですが、ヘアメイクの作品なので私からの発想で坂本氏と決めています。

モデルの選択も大変重要なものです。
その他アシスタントとして、ラ・メールのスタッフが付きます。

アートディレクション:@kk 坂本誠二
フォトグラファー:坂本誠二
スタイリング:@kk
モデル:キャリー
ヘアメイク作品制作206

編集部

作品の発想はどこから生まれるのでしょうか。

@kk

発想の源は自分のテイストにあります。
自分の美意識です。
モデルを決めた時点で既に浮き上がってきます。

色々ときっかけになるもの、インスパイアされるものも必要なものですが本質的なイメージ
美意識が最も重要なものになります。

スタッフと作品制作のテーマ作りについて話をする機会がありますが、この作業が一番むつかしいらしいです。
イメージは瞬間的に無意識の中から生まれます。
その後、構築させるために幹を際立たせ枝葉を削り取ります。
もちろんこの作業も無意識の境界で行っています。
ヘアメイク作品制作203

編集部

具体的なヘアメイクや洋服の決め方についてお教えいただけますか。

@kk

重要なのはモデル、ヘア、メイク、洋服が一直線に並ぶということです。
ヘアメイクは料理に似ています。
すき焼きに例えるとしたら肉は薄すぎない肉。
しゃぶしゃぶは極薄切りにした肉。

すき焼きにステーキの厚い肉は入れませんよね。
魚も新鮮なら刺身、そうでなければ煮付けや塩焼き。

素材に合わせるということです。
モデルではクールなイメージの作品を作りたいならそういうモデルを選びます。
かわいいモデルを選ばない。

モデルの素材を生かすことです。
洋服も同様に、可愛いという表現には丸い形が同調します。
例えばシフォンの素材でバルーンの洋服。

クールではシャープな直線的なものが同調します。
黒の革やエナメルの素材のボンテージやシースルーのシャツやタイツ。
ヘア、メイクも同様にシャープさや可愛さを表現します。
これらが同一のイメージに並ぶことです。
ヘアメイク作品制作8
before

編集部

それでは今回の撮影を例に説明をお願いします。

@kk

モデル:
可愛い部分もあるのですがそれほど個性があるタイプではありません。
したがって無個性タイプと判断しました。
メイク:
無個性タイプのモデルに私のテイストをそのままいれ込みます。
私のテイストはインパクト、デカタンス(退廃的な)です。
ヘア:
強いくせ毛で重い。
髪をキレイに見せるためにカーラーやアイロンでセッティングせず素材をそのまま使用しスポンジ状の汚さを作ります。
洋服:
私の作品は洋服の力を借りずにヘアメイクを中心にした表現を行っています。
今回も洋服が邪魔しないものを選んでいます。

もうひとつのイメージ:
撮影3日前ディレクションを考えている時になぜか無性に聴きたくなった曲があります。

ずいぶん昔の曲なのですがピンクフロイドの”The Great Gig In The Sky(虚空のスキャット)
”この曲に対する私のイメージは”女性の暗闇の中に輝く美しさ。

デカタンス(退廃的な)エロティック”。
これらをさらに加えることにしました。
総合:
最初のメイク、アイシャドー部分ではシャープで強い、フレームを大きく囲ったラインメイクです。
このイメージは人間離れした悪魔的な強いイメージです。

曲のイメージを加え人間離れしたものに、人間とした女性的な部分を加えました。
チークとリップで表現を加えています。

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編集部

前もって用意したヘアメイクと当日の状況を教えてください。

@kk

事前の準備が出来たらそれらの内容を前日に一旦、全て忘れるように努力します。
なぜなら用意した内容をそのまま作ると用意した以上のものは出来上がらないからです。

当日モデルに対面したとき新たに構築しなおすのです。
モデルの素材を新たに感じ取りながらより良い方法を模索しながら進めていきます。

この作業が最も重要で命運を分けます。
勇気も必要ですが、技術の習得、感性を磨く等,日頃の努力の結果が出ます。
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編集部

フォトグラファーとのコラボレーションの様子をお聞かせください。

@kk

ヘアメイクアップアーティストはメイクルームで2時間以上もヘアメイクをしているのでモデルの素材、顔のどの部分が魅力的なのか、角度によって見え方の違いと最適な場所など多くのことを把握しています。

フォトグラファーの知らない部分、見えない部分を知っているのです。
しかしそれらをフォトグラファーに最初から伝えたり話し合うことはありません。

なぜならヘアメイクの見ているもの以上のものをフォトグラファーに期待するのです。
フォトグラファーによって撮り方、撮影の進め方、表現の視点は様々です。

坂本氏の撮り方は最初様子見のシャッターを押していきます。
良くないフレームも撮影するのです。
ライティングを変更、調整しながらフレームや構図、ライティングが決まるまで少しの時間をかけていきます。

それらを見ながらヘアメイクに必要な微調整部分を確認します。
その後撮影を行っていく中でライティングの変更等に応じてヘアメイクの多少の変更を行う場合もあります。

撮影中フォトグラファーが最大限の能力を出せるように思考を邪魔しないようにも心がけます。

しかしフォトグラファーが迷っていたり、うまく捉えきれてないときはヘアメイクとしてモデルの
把握している部分やアイデアを伝えます。
ヘアメイク作品制作201

編集部

現像やリタッチについてお聞かせ下さい。

坂本

現像はいくつかのサンプルを出して@kk氏と話し合い決めます。
色合いが重要なのでこの部分にはこだわります。

リタッチはほとんどしていません。
メイクの完成度が高いのでほとんど必要ないです。
またエフェクトなども作品のクオリティーを妨げるものは基本的に行わないようにしています。

作品のクオリティーとエフェクトの関係は、良くない作品にいくらエフェクトをかけても
それ以上によくはなりません。

ヘアメイク作品制作河野ヘアメイクアップアーティスト@kk

Hair&Makeup @kk

福岡県出身。オーナー・スタイリストとして10年間のサロンワーク後、ヘアメイク業界に転身。
ヨーロッパ各地を遊学後、鳥羽いっこう氏主宰のWizard make upに参加。以後、ヘアメイクオフィス ラ・メール設立。
ファッションを中心としたヘアメイクを得意とする。ファッション誌、ヘアメイクエディター、メイクアップビジュアル、広告や海外の仕事も精力的に行う。
現在、ヘアメイクオフィス (有)Prendre LaMer(プランドル ラ・メール)主宰。
HP作品

ヘアメイク作品制作坂本フォトグラファー 坂本誠二

Photographer – Seiji Sakamoto –

六本木スタジオを経て、写真家 池利文氏に師事。その後、大日本印刷株式会社写真部で10年間勤務。1993年独立後、雑誌・エディトリアル・カタログ・ポスターなどで活躍中。ヘアメイクの個性を最大限に引き出すカメラワークで、ハイクオリティーな作品制作を支える。

 

ヘアメイク作品制作4

【総合】

クオリティーの高い作品には表現が必須となります。
表現の技術を習得する必要があります。

一つの作品を生み出すためには技術の習得も第一条件となります。
ヘアとメイクの技術の習得は膨大な量のトレーニングが必要となります。

それらを支えるものは情熱にほかならないと思います。
たゆまぬ努力を継続することによって結果を出すことができます。
誰も最初からできる人は一人もいません。

作品制作の過程が仲間を作り、作品が仕事のレベルアップを後押ししていきます。
これらの継続が成功へと導いていきます。

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Art Direction:Koji Kawano:Seiji Sakamoto
Hair&Makeup:Koji Kawano
Photographer:Seiji Sakamoto
Styling:Koji Kawano
Model:Carey Elise
Date:November 21, 2015


Beauty Labo@kkの仕事、作品

編集部今回の作品制作の感想をお話しします。
今回は作品制作の話を伺いました。

プロの話を伺うとびっくりすることがたくさんありますね。
まず“作品が自分自身のアイデンティティーを現したものである”ということに驚きました。ヘアメイクの作品はこんなに奥が深いものなんですね。真剣にやると生き方や美意識が作品に現れるんですね。
その他“事前の準備が出来たらそれらの内容を前日に一旦、全て忘れる”。

そして当日モデルに対面したとき新たに構築しなおす。
おそらく何度も、何度も、触発されながら1つの作品のクオリティーを上げていくようです。まるで終わりがない世界のように感じます。
最後に“音楽を取り入れる”と言ってますが、はっきり言ってどうやって取り入れるんでしょうか?何となくわかるようで、わからないですね。でも少し感じるのは、大変強いメイクをしているのに女性ポイですよね。
強く激しいメイクなのにセクシーですよね。その辺に何か特別な創造性やテクニックが必要な気がします。
いずれにしても今回は大変興味深いものでした。
編集部

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@kk

@kk

Beauty Labo@kk(ビューティー ラボ アットケイケイ) ヘアメイクアップアーティスト 福岡県出身。アイの美容室オーナー・スタイリストとして10年...

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